*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
「あった、ここだ。」
会場は歩き出してから数分後にすぐに見つかった。
そこは十階建ての新しいビルで、下から見上げると、ほとんどがガラス張りに見えて現代的でスタイリッシュな建物だった。
エントランスの前にはお祝いのお花が沢山並べられていて、遠目にもそこがパーティ会場なのだと分かる。
私はしばらくの間、少し離れたところからそのビルに見とれてしまっていた。
(すごい……このビルを修平さんの会社が作ったってことなんだね…)
こんなに大きくて素敵な物を作れてしまう会社の御曹司が、修平さんなのだと改めて考えると、なんだか足が竦んでしまう。
(私が行ったら、修平さんの迷惑にならないかな……)
今更ながら怖気づいてしまう。
その時、私の目に映ったのは、ビルの壁面のミラーガラスに映った自分の姿だった。