*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!


 「す、すごいっ!」

 パーティ会場に一歩足を踏み入れた途端、私はその雰囲気に圧倒されてしまった。

 グランドオープンのあかつきにはバーになるというそこは、見渡す限り大きな窓ガラスで囲まれていて、最上階からの眺望がどこからでも楽しめるようになっている。

 天井には大きなシャンデリアが吊り下げられていて、その下にはグランドピアノが置かれている。

 立食スタイルのパーティのため、テーブルや椅子は置かれていないが、座り心地の良さそうな革張りのソファーとローテーブルが置かれた一角があり、バーとしてオープンした時の雰囲気は十分に伝わってくる。

 口も目も開けたまま立ち尽くす私の隣から、さり気なく「ウェルカムドリンクはいかがいたしましょうか?」と丸いトレーにドリンクを乗せたボーイさんが聞いてくれた。

 アルコールに弱い私がサングリアをお願いすると、淡い赤色の液体の入ったチューリップグラスを差し出された。

 
 パーティ開始と言うこともあって、すでに会場は人に溢れている。

 私の隣にいるカヤさんが、ウェルカムドリンクをもらった後、少し疲れた様子だったので、ソファーのあるコーナーへと一緒に向かった。
 
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