*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
(なんで私は素直に「もう怒ってないよ」って言えないのかな…
あんなふうに修平さんを困らせたいわけじゃないのに…)
広い部屋に一人になると、自己嫌悪に陥った。
確かに、彼の暴走に翻弄されて体はどこもかしこも重たいし、あちこちが筋肉痛みたいに痛い。
頭が爆発しそうなくらい恥ずかしい思いも、沢山した。
でも、行為そのものが嫌だったわけじゃない。
彼はいつも優しくて、それは私を翻弄する時も少しも変わらない。
少し強引にするときだって私に触れる手は優しくて、私のことを気遣ってくれているのは、経験の少ない私にも伝わってくるくらいだ。
(自分の経験不足を棚に上げて、修平さんのことを責める権利なんて私にはないのかも…。)
いつだって彼に身を委ねたままの私に、本当は彼の方が私に不満をもっているかもれない。そう思うと段々と怖くなってきた。
(こんなことくらいでへそを曲げて、面倒な女だって嫌われちゃったらどうしよう…)
体を重ねるのだって、連休初日に母の舞台挨拶を見に行ってから泊まったホテルの時から四日ぶりになる。
回数で行くと三回目だ。(一晩に何度もするのを一回と数えるなら、だけど。)
それが多いのか少ないのかすら判断のつかない私には、彼が密かに私に不満を持っているのではないかと思い始めたら止まらなかった。
(付き合い始めたばかりで、一緒に住んでいるカップルが四日空けるのってどうなんだろう…)
分からないことだらけで、アチコチに思考がとんでいく。
もはや迷宮に迷い込みそうになっていると、部屋のドアがコンコンと鳴った。