*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 これまで聞いたことのないその声色に、思わず隣を振り仰ぐ。
 
 下から見上げた能面のような無表情。

 ゾクリと背中が震えた。

 修平さんの表情に村上さんがたじろぐ。

 「もっと、の続きは何?」

 冷たい声色の中に修平さんの怒りを感じる。

 (修平さん、本気で怒ってる……)

 私と喧嘩した時の比ではないくらいの怒りが彼から伝わってきて、とっさに彼の上着の肘のあたりを引っ張った。

 けれど私のその行動が村上さんの火に油を注いでしまったようだ。

 彼女は私を一睨みすると、思い切ったように口を開いた。
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