*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 修平さんは私が彼に黙ってここに来たことを怒っていないと言った。

 じゃあいったい―――

 「何に怒ったの?」

 私の口から素直な疑問が口からこぼれる。
 その言葉に、修平さんは目を軽く見張った。

 「杏奈…なんのこと?」

 「だってさっき修平さんは言ったよ?『それは怒ってないから』って。じゃあ何に怒ってたの??」

 隣にいる彼をじっと見つめる。
 しゃがんでいるからいつもより彼の瞳が近い。

 ミーティングテーブルのすぐ脇で大の大人がしゃがみ込んで話す姿は、はたから見たらかなり可笑しいのかもしれないけれど、そんなことは気にもならない。
 
 第一、今ここには私たち二人しかいないのだ。
 


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