*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 身を屈ませて並んだまま、視線が絡み合う。
 黙ったまま、彼の言葉を待った。

 彼が何に怒ったのか、その理由を知りたい。

 「~~っんと、敵わないっ!」

 「えっ!?」

 「俺はいつだって君にやられっぱなしなんだ。」

 「やられ……って」

 「そんな可愛いカッコでこんなことに一人で来るなんて……」

 「えっ!」

 「今日はほとんど仕事みたいなものだから、ずっと杏奈の側にいれるわけじゃない。そう思ったから、連れて来なかったのに……こんなことになるなら最初から俺が誘っておけば良かった…」

 修平さんの言葉に目を瞠る。

 「しかもこんな、俺が見たことないくらい可愛すぎる杏奈を、俺以外の奴が先に見たなんて……葵のやつっ……」

 「ぷっっ」

 独り言のような呟きながら忌々しげに眉をひそめた横顔に、思わず笑い声が漏れた。
< 207 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop