*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
「やきもち、妬いてくれたの?」
確認するようにそう言うと、ふいっと視線を外された後、「そうだよ」という言葉がかすかに聞こえた。
不貞腐れたみたいな声に「くすっ」と小さく笑うと、また横目でジロリと睨まれた。
「ごめんね。でも嬉しい。」
素直に言って微笑むと、修平さんは意外そうな顔をこちらに向けた。
「修平さんが妬いてくれて嬉しい。それに私の今日のカッコを『可愛い』って褒めてくれたのも嬉しいよ。」
「杏奈…」
「このドレスね、お母さんとヒロ君が選んでくれたの。修平さんの会社が建てたビルのパーティに行くって話したら、お母さんが張りきっちゃって。お母さん『修平さんに喜んでもらえるといいね』だって。」
「……流石、由香梨さんと隆弘さんだ。杏奈のこと良く分かってる二人が選らんだんだから、杏奈がこんなに素敵なのは納得できる。……でも、そんな杏奈を一人であの会場に置いとくなんて危なすぎるよ。」
「危なすぎって…」
「他の男に声を掛けれなかった?壇上から見てたら、周りの男性が君を見てるのがよく見えて、気が気じゃなかったんだ。スピーチなんて早く終わらせてすぐに杏奈のところに行きたいって思ってた。」
「えぇっ!!」
あんな『御曹司』な雰囲気で壇上で話しながら、そんなことを考えていたなんてビックリだ。
「男性客とのトラブルも、杏奈の手を掴んでる姿を見て、思わずカーッとなって割って入ったようなもんだし…」
「その節はご迷惑をおかけして…ごめんなさい。でも、修平さんが助けてくれて本当に嬉しかったよ?」
「うん、そのことはもういいよ。でも、その……こちらこそ、さらうようにここに連れ込んだ上に襲ってしまって、ホントゴメン。理性がブチ切れてしまったみたいだ。」
そう言いながら恥ずかしそうに頬を染める修平さんに、つられて私も赤くなる。
彼が怒ると強引になるのは二度目だ。