*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
10. Happy apricot birthday !




 「ほぁ、っく…」

 「杏奈、大丈夫?寝てていいのに。」

 「うっ…」

 噛み殺していたあくびに気づかれて、気恥ずかしさから助手席の窓の外に顔を向ける。
 窓の向こうの景色が流れていくスピードについていけず、顔を前に戻した。

 レセプションパーティーから一夜開けた今日。
 修平さんの運転する車は私とアンジュを乗せ、高速道路をひた走っていた。

 
 昨夜、パーティ会場から修平さんの車で帰宅した。

 家に着くなり修平さんが一目散に目指したのはバスルーム。
 私の着ていたものを脱がすところからすでに彼の『覚悟しておいて宣言』を実感することに。

 普段は一緒にお風呂に入ることなんてしないから、明るい中で裸を見られることが恥ずかしくて、何度も『無理だから』と諦めて貰えるようにお願いしたのだけど、そのお願いすらも彼を煽ってしまうだけだったらしい(修平さん談)。
 もちろんその後、隅から隅まで彼の手で洗われたことは言うまでもない。

 バスルームで翻弄されまくった私は、彼が満足したころには逆上せ気味でくらくら。
 そんな私をそのまま自室に連れ込んだ修平さんは、朝まで私をたっぷりと堪能したのだ。
 
 正直言って、私の『覚悟』なんて全然及ばず至らず……

 明け方近くまで何度も求められ、最後は意識を失うように眠りに落ちたのだ。
 

 そんなこんなで私は今、高速道路で眠気を堪えるのに必死になっている。
 
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