*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
「うわぁ~~!すてきっ!!」
着物の仲居さんに案内され通されたのは、本館から中庭を渡った離れの部屋。
和モダンな作りのその部屋は、ベッドルームとリビングルームの二部屋はどちらも広々としていて、大きな窓からは日本庭園が見える。
部屋の外にはデッキチェアーが置かれたルーフデッキ、その先には露天風呂。
庭に面して広がる水盤に映る木々の緑がとても美しい。
まるでハイセンスな別荘に来たようなその部屋に、私はただ見惚れるばかりだ。
「気に入った?」
いつのまにか修平さんが隣に並んで立っていた。彼の向こうにアンジュもいる。
「うん、とっても。こんな素敵なところに修平さんとアンジュと一緒に泊まれるなんて最高。」
思ったままを言葉にすると、修平さんはとても嬉しそうに微笑んだ。
「俺も杏奈が喜んでくれて嬉しいよ。」
三人でしばらくその景色を静かに見入っていた。