*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
ドックカフェでよく冷えたアイスティ(アンジュは水)で喉を潤した後、旅館に戻った私たちは食事の前に大浴場で汗を流すことにした。
離れになっている部屋にも露天風呂は付いているのだけれど、こんな明るい太陽の下で裸体を晒すなんて、何かの罰ゲームかお仕置きにしか思えない。
修平さんが口を開く前に「大浴場に行ってみたいな」と先手を打った。
アンジュをペット用エステサロン(天然温泉付き!)に預けた後、二人で大浴場のある階へ向かう。
大浴場の暖簾の前で修平さんと「じゃあ後でね」と言って別れた私は、暖簾をくぐるなり入浴グッズを抱きかかえた手を握りしめ、「勝った!」と小さく呟いた。
(毎回修平さんに流されたりしないんだからっ!)
昨夜のことを振り返って、私だって学習済みだと胸を張る。
けれどこの時私は知らなかったのだ
相手は私の何倍も上手だということを
そしてそれを嫌と言うほど思い知ることを。