*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!


 「ほわぁぁぁぁ~~!」

 目の前に置かれた美しい料理の数々に、溜め息のような声が漏れる。
 私達が部屋に戻るとちょうど夕食の準備のお伺いに来た仲居さんと行き会った。

 私達の許可を得た仲居さんはすぐにテキパキと夕食準備を始め、大きなテーブルに彩り豊かな野菜や新鮮な魚を使った料理の数々を並べたのだ。

 「何かありましたら内線でお呼びくださいませ。」
 
 そう言い残して彼女は静かに部屋を後にした。

 二人と一匹になった部屋で、テーブルを前に感嘆の声を上げた私に、修平さんがグラスを持ち上げる。

 「杏奈、乾杯しよ。」

 くびれのある細長いグラスに入った琥珀色をした液体は、細かな気泡を立たせながら一番上の白い泡まで上っていく。

 促されグラスを持ち上げ彼の方へと手を伸ばした。

 「杏奈の24年間に乾杯。」

 「えっ!」

 「今夜は、明日から24歳の杏奈の前夜祭。」

 「修平さん……」

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