*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 実は明日は私の誕生日。
 私はずっとそれを修平さんに言えずにいたのだ。

 修平さんの誕生日は付き合う前だったから、なんとなく自分の誕生日を言いそびれていて。
 言えば何かプレゼントをねだるような感じになるのが嫌で、自分から言い出すことが出来なかったのだ。
 そして誕生日が近づけば近づくほど言いにくくなり、そうこうするうちに誕生日の前日の今日になってしまった。

 「ありがとう。でもどうして……」

 おずおずと聞いた私の手に持っているグラスに、修平さんが自分のグラスを軽く当てる。
 小さな音を立てて鳴ったグラスを置くと、彼はちょっと不満げな顔をして口を開いた。

 「それは秘密。でも俺は杏奈から直接誕生日のことを聞きたかったな。」

 「それは…ごめんなさい。」

 「うん。怒ってはないよ。でもちゃんとお仕置きはするつもり。」

 「お、お仕置き……」

 嫌な予感がして、背中がうすら寒くなる。

 綺麗な顔に完璧な微笑みを浮かべた修平さんは

 「さ、食べよう。しっかりと食べてスタミナつけとこうか。」

 そんな言葉で私の予感をあっさりと肯定した。

 
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