*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
これ以上ないくらい見開いた瞳に、みるみる水膜に覆われていく。
少しでも下を向いたらこぼれ落ちてしまうほど溜まった雫は、次に聞こえた一言で決壊した。
「杏奈を愛してる。これからずっと俺の隣に居て欲しい。」
ボロボロとこぼれ落ちる涙をそのままに、ゆっくりと彼の前に両膝を着いて目線を合わせる。
嗚咽が漏れそうになるのを必死に堪えながら、なんとか声を絞り出した。
「わ…たしで、いい、の?」
震える声でそう尋ねると、彼は迷いのない瞳で頷く。
「杏奈がいいんだ。杏奈じゃないと駄目なんだ。」
「わた、しも…修ちゃんじゃなきゃ、だ、め……」
涙が溢れ出して止まらない。でも、濡れたままの瞳で彼を見つめ、半分以上泣き声のまま、彼に返事をした。
「私を…あなたのお嫁さんに、して…下さい。」
「杏奈…ありがとう。」
床に膝を着いたまま、私達はしっかりと抱き合った。