*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
11. エピローグ~恩返しは溺甘婚約で!~



 本格的な梅雨が始まって、ここ数日は雨が降らない日がなかったけれど、やっと晴れ間が見えた今日、私と修ちゃんは広い庭の一角に植えられたとある木の下に立っていた。

 「うわ~すごいっ、沢山!!」

 「今年は当たり年みたいだな。」

 修ちゃんの背丈よりも高いその木には、綺麗に色づいた実がたわわに実っている。

 「修ちゃんの『誕生樹』って杏の木だったんだ…」

 木の根元には『四月十二日 修平誕生』というプレートが付いている。
 この庭には、家族それぞれの人にちなんだ木が誕生の祝いに植えられている、と前に聞いていた。

 今朝、窓の外の青空を見た修ちゃんが突然「そういえば、そろそろかも」と、私を連れてここまで来たのだ。
 
 「にしても、沢山着いたな。収穫手伝ってくれる?杏奈。」

 「もちろん!!」

 やる気満々で返事をする。

 午前中だというのに照りつける太陽の陽射しはすっかり夏のもので、帽子を被って出てきて正解だったと思った。




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