*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
ドキッ、心臓が音を立てる。
ことあるごとに私に触れる修ちゃん。
そんな彼との触れ合いも、最初の頃に比べたら慣れてきた。
けれど明らかに意味を含ませた触れ方には、いまだに心臓がうるさくなるのだ。
私の手を握ったままの修ちゃんは、甘く光る瞳で私を見下ろし、そして言った。
「杏奈には"婚約者”がいるんだって、もう俺のものなんだって、世の中の全ての男に示したい。」
独占欲の塊のようなその台詞は、私の胸のど真ん中を撃ち抜いた。
つま先から頭のてっぺんまで全身の血が駆け上がって、自分がみるみる赤くなっていくのが分かる。
「一日でも早く杏奈を奥さんにしたいけど、大事にしたいからちゃんと段階を踏むつもり。でもそれまでここが空いてるのは嫌なんだ。俺の我が儘で悪いんだけど、ちゃんと俺のものだって印を着けていて欲しい。」
真剣に、しかも最後の方は懇願するようにそう言われ、私は真っ赤な顔のまま、ただ黙って頷いた。
すると、修ちゃんは心底嬉しそうに破顔して、私にちゅっと軽く口づけた。