*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 彼の腕が私の背中に回り、ぎゅっと抱きしめられる。

 「俺の仕事のこととか結婚式のこととか、杏奈にとって気になることがあったらいつでも言って。俺の立場だと避けられないことも沢山あるけど、出来るだけ杏奈の望むようにしたい。」

 「修ちゃん……」
 
 彼の胸の中から顔を上げると、こちらを窺うような瞳が私を見下ろしていた。

 (ああ、修ちゃんは心配なのかも。私が我慢してるんじゃないかって……)

 そう気付いたら、体が勝手に動いた。
 彼の腰に両腕を回して、ぎゅっと抱き返す。
 彼の体が一瞬だけピクリとかすかに震える。

 ゆっくりと顔を上げると、形の良いアーモンドアイを見張っている。
 
 途端、胸の奥から愛おしさが溢れ出した。

 急に照れくさくなってえへへと笑ってから、彼の胸に顔を埋め、回した腕にギュッと力を入れる。

 そして思ったことをそのまま口にする。
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