*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
佐倉さんと会ってから二日が過ぎ、私の体調はすっかり元通りになった。
けれど、修平さんとの関係は『元通り』―――とは言い難かった。
あの日、朝一番に謝ることが出来なかったことがずっと気になって、彼が仕事から帰って来たらすぐに謝ろうと思っていた。
佐倉さんが言うように、私が自信がなくて彼に遠慮した態度を取っていたことが、却って彼を傷付けてしまったのかもしれない。
まずはそのことをちゃんと謝ったうえで、私は心にずっと引っ掛かっていたことを彼に訊いてみることに決めた。
あの時、修平さんの会社の女性が言っていた『うちの会社の御曹司』という言葉が、棘のように胸に刺さって抜けない。
気になったのに訊けなかったのは、怖かったから。
ただでさえ彼と私とは釣り合ってないと思うに、それに加えて彼が大きな会社の『御曹司』だったら……。
訊かなければ。知らなければ。
―――ずっとこのままでいられる。
結局は自分の保身の為だった。