*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 それに気が付いた時、私は恥ずかしさでいっぱいになった。

 この家から逃げ出してどこか別のところに隠れてしまいたい、そう思ったけれど、他に行くところも隠れる場所もない私は、代わりに客室のベッドに戻り、頭から布団を被り声を上げてわんわん泣いた。

 あんなに優しい修平さんの気持ちを信じきれず、我が身可愛さに保身に走った愚かな自分を責め、こんな自分のせいで彼を傷つけてしまったかもしれないと思うと今すぐにでも、彼の所まで走って行って謝りたい衝動に駆られた。



 後悔と羞恥のたっぷり詰まった涙を流しきって、私の腹は据わった。

 『逃げないでちゃんと話し合う。』

 どんなにちっぽけで情けなくても、それが私だ。
 繕っても隠しても、今以上の自分にはなれない。

 でも、こんな私のことを好きだと修平さんは言ってくれている。
 そんな彼のことを信じることに決めたのだ。
 私が私自身を完全に信じることは難しいけれど、彼のことなら100%以上に信じることが出来る、と思った。

 彼が私のことを好きだという気持ちを信じよう。

 彼の気持ちをまるごと全部受け止めて、素直な自分で彼を好きでいたい。

 ―――いつか彼に『もう好きじゃない』と言われる日までは。

 
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