*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 そう覚悟を決めて彼の帰りを待つ私に、一通のメッセージが届いたのは夜も随分と深まった時間だった。

 【今日は遅くなります。
  杏奈の体調優先で
  先に寝てて下さい。】

 仕事が終わる時間に、メッセージを送るのは一緒に住む中でついた習慣だ。私も出勤の日には同じようにしている。

 いつものことなのに、メッセージの画面を見る私の胸がズキンと痛む。

 あんなふうに喧嘩みたいになって、気まずいまま顔を合わせずに交わすメッセージ。
 業務連絡みたいな文面から、まだ彼が怒っているのかもしれないと思ってしまう。

 潤みかけた瞳をギュッと閉じて、マイナス思考を追い払うために頭をブンブンと振った。

 「だ、大丈夫…私のことを心配してくれてるんだもん、ね。」

 そう自分に言い聞かせて、その日は早くベッドにもぐりこんだ。

 明日は私も仕事だ。
 これ以上体調を崩して、修平さんや職場に迷惑を掛けるわけにはいかない。

 (明日朝一番で、ちゃんと謝る!!)
 
 そう気合を入れ、携帯の目覚ましを少し早い時間にセットしてから、客室のシングルベッドで丸くなって眠った。


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