クールな御曹司の甘すぎる独占愛
水瀬の真っすぐな眼差しに甘さが乗せられ、もうそこから逸らすのは不可能。奈々は呼吸すらするのを忘れて、その瞳に見入った。
水瀬の顔がゆっくりと近づく。
奈々が目を閉じた瞬間、唇が重なった。
奈々の反応を慎重に見極めるような優しいキスが、延々と続く。時折下唇を食まれて、その度に鼓動が弾む。もはや奈々の心臓は限界を振り切っていた。
「奈々……」
キスの合間に囁くように名前を呼ぶ水瀬の声がこれまでにないくらいに甘くて、そのかすれた声を聞くだけで奈々は気が遠のきそうになる。
水瀬は長いキスの最後にギュッと力強く抱きしめ、奈々を解放した。
それからの奈々は頭がぼーっとした状態。茫然自失に近い様子で水瀬を見送り、走り去る車のテールランプをいつまでもいつまでも眺めていた。