クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「いつかそうできたらいいなと考えてるんだ」
「嬉しいです」
晶とふたりで暮らす。そんな夢のようなことを言ってもらえるとは思いもせず、奈々は嬉しさに胸が高鳴った。
「ところで、お店の状況はどう?」
話が急にまじめな方向に飛んだものだから、奈々は少しだけ面食らいながらアイスコーヒーのグラスをテーブルに置いた。
「依子さんから今日お電話をいただいたんです。花いかだで好評だそうで」
「そう。それはよかった」
晶の顔がさらにパッと明るくなる。その顔を見た奈々も口もとがほころんだ。やはり奈々にとって晶は、一番喜んでもらいたい人なのだと実感する。
「それで今日は花いかだでうちの和菓子を食べた方が、大口の注文をくださって」
「へぇ、それはすごいね」
「はい。しかも量が二千個なのでびっくりです」
晶もカップを置き、奈々のほうへ身を乗り出した。大口の注文に興味をもったようだ。