クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「いったいどんな人が注文したの?」
「国会議員の小田高弘さんなんです。その秘書の方が今日お店にお見えになって」
「……小田高弘の秘書?」
晶が訝しがって眉間にシワを寄せる。
国会議員からの注文が意外なのかもしれない。奈々自身も、そんな大物から注文が入るとは思いもしなかったのだ。晶がそう思うのは無理もないだろう。
「もしかして宮内って男?」
晶が口にした名前に奈々は驚いた。どうして彼が宮内を知っているのか。
「そうです。宮内蓮也さんって方です。晶さん、ご存知なんですか?」
「……大学時代の友人」
どこか不愉快そうに答える。
「晶さんの?」
奈々が聞き返すと、晶は「ああ」と低い声でうなずいてから「犬猿の仲」と付け加えた。