クールな御曹司の甘すぎる独占愛
絶対に離さない
「おい、追うな」
立ち上がり奈々を追って部屋を出ようとした晶を宮内が引き留める。
「彼女の気持ちも察してやれ」
奈々の気持ち? それはどういうことだ。
晶は眉をひそめて宮内をじっと見据えた。
「宮内、説明してくれ。いったいなにがあった」
「今のが茶番だって水瀬もわかっているだろう?」
突然別れを切り出した奈々が、本当にそれを望んでいたとは晶も考えていなかった。
自惚れかもしれないが、奈々の気持ちが自分から離れるとは、ましてや宮内に心動かされるなどあるはずもない。あれほど深く求め合い、互いに想い合った時間が、こんなにあっさりと覆るとは考えられないから。
「仕事を干されそうになってるって?」
「……誰が?」
「水瀬以外に誰がいるんだよ」
「俺?」