クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「宮内、俺はお前を誤解していたようだ」
「お? やっと俺様のすごさに気づいたのか」
照れ隠しか、宮内が冗談めかす。
「調子に乗るな。とにかく、ありがとう」
「出馬するときは頼んだぞ」
宮内と拳をコツンとぶつけ合い、晶は花いかだをあとにした。
スマホを取り出し連絡先をタップする。ワンコールも鳴らないうちにミヤビが出た。
《晶! 私もちょうど今電話しようと思っていたの! すごいわ。私たち、やっぱり通じ合ってる!》
「今から会えるか」
ミヤビのハイテンションと対照的に、晶は淡々と切り出した。
《もちろんよ! よかった、日本を発つ前に晶に会えて。大切な話があるんでしょう?》
「……だな」
ミヤビは、それが自分にとって良い話だと思っているようだ。奈々から晶と別れたと連絡でも入ったのだろう。