クールな御曹司の甘すぎる独占愛
エピローグ~結婚前夜
半年後の三月。
光風堂は明日執り行われる晶と奈々の結婚式の準備で、二日間の連休をとることとなった。
というのも、引き出物に光風堂の和菓子を付けるため。日持ちのしないひと口和菓子ではなく、一週間の消費期限のある占いしるこが選ばれた。
「式前日なのに奈々さんにお手伝いさせて申し訳ありません」
清人は申し訳なさそうに頭を下げるが、前日ともなれば準備は終わっている。あとは当日を待つばかりだから、奈々は光風堂で大好きな和菓子に触れていたほうがいい。
明日、清人はもちろん、道隆も明美も参列してくれる予定になっている。その後のハネムーンは、頼もしいことに三人で店を切り盛りしてくれるそうだ。奈々は気兼ねなく、晶と南の島へ旅立てる。それはもう、ありがたいとしか言いようがない。
「奈々さんのウエディングドレス姿、楽しみだなぁ。きっと綺麗だろうなぁ」
占いしるこを箱詰めしながら、明美がうっとりしながら宙を見る。
「明美ちゃんの期待を裏切らないといいんだけど」