クールな御曹司の甘すぎる独占愛

それにも奈々は激しく同意である。そうじゃなかったら彼に憧れる女性たちが許さないだろう。自分では敵わないと素直に負けを認められるくらいの女性であってほしい。これは奈々の勝手な願いではあるけれど。

明美は小さくため息を吐いてから、奈々をまじまじと見つめる。


「奈々さんも水瀬さんの隣に並んでいても引けはとりませんけどね。来店されるたびに、いつもお似合いだなーって」
「え? やだ、明美ちゃん、なに言ってるのよ」


急に妙なことを言われ、奈々は動揺した。


「奈々さん、美人さんだし、入っていきづらいくらい水瀬さんと仲よさそうだし」
「そんなことはないわ」


とんでもないとばかりに首を横に振る。

水瀬の周りには、奈々ではとうてい足もとに及ばないような美しく気品に満ち溢れた女性がたくさんいるはず。水瀬と奈々の仲が良く見えるのだとしたら、それは水瀬が女性の扱いがうまいからだろう。相手が気分を害さないよう気遣い、自然と優しく振る舞えるフェミニストな男性だから。

これまでに奈々が知っている男性とは違う人種にすら思えた。

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