クールな御曹司の甘すぎる独占愛

水瀬と張り合っているとしか思えない。そうする利点はわからないが。

明美の言葉に、宮内の顔が曇る。


「……明美ちゃん、俺、ずっと疑問に思ってることがあるんだけど」


宮内はショーケースを挟んで立ち、そこに両肘を突いた。どことなく不機嫌な目で明美を見つめる。


「なんですか?」
「明美ちゃんは、どうしていつも俺に冷たいわけ?」
「そうでしょうか?」


自覚は存分にあるが、明美はとぼけた。


「そうでしょうかじゃないよ。もうちょっと優しくしてくれてもいいんじゃない? こうして三日間連続で通ってるんだから。俺の気持ちも察してよ」
「宮内さんの気持ち?」


彼がなにを言いたいのかわからず、明美が小首を傾げる。気持ちがどうだというのか。なにを察しろと言うのか。ちんぷんかんぷんだ。

< 311 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop