クールな御曹司の甘すぎる独占愛
水瀬と張り合っているとしか思えない。そうする利点はわからないが。
明美の言葉に、宮内の顔が曇る。
「……明美ちゃん、俺、ずっと疑問に思ってることがあるんだけど」
宮内はショーケースを挟んで立ち、そこに両肘を突いた。どことなく不機嫌な目で明美を見つめる。
「なんですか?」
「明美ちゃんは、どうしていつも俺に冷たいわけ?」
「そうでしょうか?」
自覚は存分にあるが、明美はとぼけた。
「そうでしょうかじゃないよ。もうちょっと優しくしてくれてもいいんじゃない? こうして三日間連続で通ってるんだから。俺の気持ちも察してよ」
「宮内さんの気持ち?」
彼がなにを言いたいのかわからず、明美が小首を傾げる。気持ちがどうだというのか。なにを察しろと言うのか。ちんぷんかんぷんだ。