幼馴染みと恋したい!
彼は小学校卒業と同時にこの町を離れて県外の中学に進学した。それ以来の再会。
両親はいち早く彼が五年生の初めに先に引っ越したので、彼だけが祖父母の下で卒業するまでこの町で過ごしていた。
まあ、一年ほどの接近期間だったのだけれど……
「最初広崎愛美か半信半疑だったけど、お前、眩しいと片目だけ閉じて口歪めるんだよな、その癖でわかった」
フルネームで呼ぶのは相変わらずだった。なぜか彼は私にはそうしていたので、対抗心か反発かわからないけれど、私も倣ってフルネームで呼び返していた。
「立川優斗はすぐわかったよ。でも伸びたね、背。私と同じくらいだったのに、全然ヤバいくらいに違ってんじゃん。でも何でここにいるの?」