子爵は新妻を独り占めしたい
「おはようございます」

紗綾はクレアにあいさつをした。

「おはようございます、昨晩はよく眠れましたか?」

そう聞いてきたクレアに、
「はい、それはもうぐっすりと」

紗綾は答えた。

「お食事の用意ができましたので、どうぞ1階へ」

「はい、ありがとうございます」

紗綾はクレアと一緒に部屋を出ると、1階へと下りた。

リビングに顔を出すと、テーブルのうえに朝食が並べられていた。

(す、すごい…)

紗綾はテーブルの前で絶句していた。

フレンチトーストにオムレツ、グリーンサラダ、コンソメスープ、ジャムとハチミツがかかっているヨーグルト…と、まるでテレビか映画の世界から飛び出してきたような朝食だった。
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