子爵は新妻を独り占めしたい
エミリーとエリックはお互いの顔を見あわせた。

「正直なことを言うと、どうすればいいのかわからないんです。

ここへきてまだそんなにも日が経っていないうえに、いきなり婚約者だと宣言されて、何が何だか…」

自分でも何が言いたいのかよくわからなくなってきた。

そんな紗綾の様子に、
「…まあ、その方がいいかも知れないわね」

エミリーは言った。

「よーく考えて、ちゃんと答えを出した方がいいと思うわ。

時間をかけてじっくりと考えて、自分の中で結論を出しなさい。

返事はいつでも構わないから」

エミリーは言い終えると、
「それでいいわよね、エリック?」
と、エリックに確認をした。

「俺としてはすぐにでも欲しいところだが…まあ、別にいい」

エリックは返事をした。
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