子爵は新妻を独り占めしたい
「えっ…ああ、はい」

謝られた理由はよくわからないが、紗綾は返事をすることしかできなかった。

「言っておくが、下心があって行動した訳じゃないからな」

ついでだと言うように言ったエリックに、
「は、はい…」

紗綾は訳がわからなくて返事をすることしかできなかった。

何をそんなにも慌てていたうえに謝られたのだろうか?

(本当に、エリックさんはよくわからない人だ)

紗綾が心の中で呟いた時、
「1つだけ、君に希望を言いたいことがあるんだ」

エリックが言った。

「はい、何ですか?」

紗綾は聞いた。

彼から何を言われるのだろうか?

そう思っていたら、
「明日」

エリックが話を切り出した。

「明日、ですか?」

紗綾は首を傾げた。
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