恋して cha cha cha
だけど…真田さんが言っている“ジュニア”って、一体誰なんだ?

そう思いながら、真田さんが向けている方向にあたしは視線を向けた。

「――おっ…!?」

もし…もしも恋に落ちた瞬間と言うものがあるならば、あたしの場合はこれだろう。

ベリーショートの黒髪に二重の垂れ目がちな目、唇は上下に特に厚みはなく均等な感じだ。

あごには無精ひげが生えているが不潔な感じはなく、むしろ男の色気を感じた。

顔立ちは端正で、芸能人ではないかと一瞬だけ思ってしまった。

体型はがっしりとしていて、身長は180センチ以上はあると見た。

スタイルもとてもよくて、グレーのスーツを着こなしている。

す…すっごいかっこいいんですけど!

何もかもがあたしの好みなんですけど!

カツンカツン…と革靴を鳴らしながら、ジュニアは立ち去って行ったのだった。
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