恋して cha cha cha
営業事務の仕事はデスクワークである。

ほぼ1日座って仕事をしている受付とは違って、書類の作成や整理をしたり、ファイリングをしたり、取引先の電話応対をしたり、時には郵便物の発送や仕分けをしたり…と、いろいろとやることがある。

パソコンの画面とにらめっこをしているせいか、だんだんと目がショボショボとしてきた…。

なれない作業に指先で目頭を押さえているわたしに、
「香西さん、大丈夫ですか?」

その声に視線を向けると、高崎さんだった。

「少し、目が疲れてしまって…」

そう言ったわたしに、
「あまり無理をなさらないでくださいね」

高崎さんはそう言って微笑んで、何かを差し出してきた。

缶のストレートティーだった。

「ありがとうございます」

わたしは彼の手からそれを受け取った。
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