恋して cha cha cha
本日の仕事を終えると、会社を後にした。

電車に乗ると、わたしはホッと息を吐いた。

よかった、誰も気づかれなくて…。

もし由真ちゃんじゃないって言うことがバレたら、どうしようかと思った…。

双子だからって言うこともあるんだけど、案外バレないもんなんだなあ。

それよりも、
「高崎さん…」

彼の名前を呟いた瞬間、心臓がドキッ…と鳴った。

これが“恋”と言うものだろうか?

高崎さんの名前を呟いただけでも心臓がドキドキとして、高崎さんの顔を頭に思い浮かんだだけでも、顔が熱を持ち始めたのがわかった。

彼のことをもっと知りたい。

彼ともっと話がしたい。

もっと、もっと、彼と近づきたい。

そんなことばかりを思っていたら、電車が自宅の最寄り駅を告げた。
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