恋して cha cha cha
「ただいまー」

自宅に到着してドアを開けると、家の中は暗かった。

あれ、まだ帰ってきてないのかな?

今日は早番だから早く帰ることができる日なんだけどなあ…。

そう思いながら靴を脱いで中に足を踏み入れると、リビングの電気をつけた。

「きゃあっ!?」

ソファーのうえに座っている由真ちゃんがいたので、わたしは驚いて悲鳴をあげた。

「もう、ビックリさせないでよ~!」

と言うか、帰ってきたなら電気ぐらいつけてよ~!

そう言ったわたしの声は、由真ちゃんの耳に入っていないみたいだった。

「由真ちゃん?」

一体、どうしたのだろうか?

彼女の顔を覗き込んで見ると、ぼーっとしたような顔をしていた。

どこか具合が悪いのだろうか?

そう思っていたら、
「――由菜…?」

由真ちゃんがわたしに気づいた。
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