恋して cha cha cha
「そうだ、ケガはしていないかな?

どこかにファイルをぶつけたとかは…?」

心配そうに聞いてきた索様に、
「いえ…だ、大丈夫です!」

あたしは首を横に振って答えた。

「もし、君がよかったらなんだけど…」

索様はそこで言葉を区切ると、
「お詫びをさせてもらえないかな?」
と、言った。

「お詫びですか…?」

「危うくファイルをぶつけてケガを負わせてしまうところだったから、何かお詫びを…」

これって、もしかしなくても索様とお近づきになるチャンスですよね!?

神様仏様イエスキリスト様、奇跡をありがとうございます!

先ほどは神頼みがどうとかこうとかってバカにしてすみませんでした!

心の底から感謝の言葉を並べていたけれど、
「あ…あたしで、よろしかったら…」

口では索様にそう言うのが精いっぱいだった。
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