恋して cha cha cha
「お疲れ様でしたー」

更衣室を後にすると、あたしはカバンから手帳型のスマートフォンカバーを取り出した。

そこにあるポケットから取り出したのは、索様からもらった名刺だ。

「夢じゃないんだよね…?」

あたしは呟くと、もう1度名刺を見つめた。

間違いない、夢じゃない。

仕事も終わったし、今から索様に電話を…と言いたいところだけど、心臓がドキドキと早鐘を打っていてそれどころじゃない。

気のせいか、呼吸も乱れてきている。

落ち着くんだ、落ち着くんだ、あたし…。

まずは外に出て、深呼吸をして、気を落ち着かせよう…。

あたしは自分に言い聞かせると、会社の外に出た。

冷たい外の空気を吸うと、気持ちが落ち着いてきているのが自分でもよくわかった。

「…よし!」

あたしはスマートフォンに視線を落とすと、名刺の裏に書いてある携帯電話の番号をタップした。
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