恋して cha cha cha
髪型と性格以外で由真ちゃんと違うのは、コーヒーと紅茶である。

わたしはコーヒーが好きで紅茶が嫌いだけど、由真ちゃんは紅茶が好きでコーヒーが嫌いだ。

「コーヒーの美味しいお店があったら遠くても行くくらい好きです」

わたしはそう言うと、アフォガートを口に入れた。

コーヒーの苦さとバニラアイスの甘さが舌のうえで溶けた。

「そうなんですか、僕もコーヒーが好きなんです。

そうだ、自宅の近くに美味しいコーヒーを出す喫茶店があるんです。

もしよろしかったら行きませんか？」

「えっ、いいんですか？

ありがとうございます！」

「一緒に行きましょうね」

高崎さんと一緒にご飯を食べているだけでも嬉しいのに、彼とコーヒーが美味しい喫茶店に行く約束もしてしまった。

何だか夢を見ているみたいだ。
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