Rouge




いや、疎通はとれているはずで、むしろこちらの思考全てを読み取っている様に感じる時がある。

今だってだ。

一瞬私の意地の悪さを読み取り引用して仕掛けた様な返し。

それを探ろうと視線を絡めてみても、灰色の明度に見惚れるばかりで意図なんかまるで読めない。

ただ、掴み所のない笑みと言葉でこの不可思議な関係の役に染まりきる。

私の専属の患者。

私【ルージュ】の飼い主。




不可思議な関係の始まりは突然。

そう古くはない記憶を掘り起こせば______、




< 8 / 40 >

この作品をシェア

pagetop