Rouge
いや、疎通はとれているはずで、むしろこちらの思考全てを読み取っている様に感じる時がある。
今だってだ。
一瞬私の意地の悪さを読み取り引用して仕掛けた様な返し。
それを探ろうと視線を絡めてみても、灰色の明度に見惚れるばかりで意図なんかまるで読めない。
ただ、掴み所のない笑みと言葉でこの不可思議な関係の役に染まりきる。
私の専属の患者。
私【ルージュ】の飼い主。
不可思議な関係の始まりは突然。
そう古くはない記憶を掘り起こせば______、