虫も殺さないような総長に溺愛されています



そんな事を思って見つめている最中にだって、飲もうとしている500mlの紙パックアイスティーの口を開けられず、何をどうしたらそうなる!?と、問いたくなる惨状を展開している。

もうパッケージの面影すらないし。

ああ、とうとう諦めて物悲しな笑顔で横にズラしたし。

開けてあげるよ紙パックくらい…。

本当、こんな紙パック一つ開けられない人が総長だとかいわれてもまったくピンと来ないんだけど?

と、言うか総長宣言で思いっきりそんな空気飛んだけど、一応告白されて一応OKしたんだよね?私。

あれ?じゃあ今はタロくんと恋人同士って関係なのかな?

そんな疑問を抱きながら、開封した紙パックを彼に手渡していれば、

「タロ〜、ほい、メロンパンなんとか調達してきたぞ。ハナにもオマケな」

背後の扉が開くと同時にそんな声音と一緒に私の膝上にも落とされた紙袋。

まだ中身が温かく、漂うバニラの甘い香りには思わず目が輝き涎が垂れそうになる。


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