虫も殺さないような総長に溺愛されています
「もう、本当に毎週毎週素晴らしいの一言に尽きるよカナイくん。水曜限定焼きたてメロンパンは他校にまで超有名な我が校を誇る人気食品で、手に入れるのも血を見る程だなんて言われるくらいなのに」
「いや、別に一回も混雑に遭遇してねえし、血を見た覚えもないけどな」
「混雑にも未遭遇!?その極意は?!」
「いや、普通に授業20分くらい早めに切り上げて玄関行った」
「いや、20分も早めに授業切り上げるのは普通じゃないと思う」
「おばちゃんには笑顔で『あんたいっつも早いね~』と言われただけだぞ?」
「おばちゃんは別に学校関係者でもないから授業サボろうが問題ナッシングだし」
「俺的にも授業早く切り上げようが成績落とした事ねえから問題ナッシングだけどな」
そう切り返されたら最早返せる言葉ないし…。
本人悪い事してる感覚まったくなさそうだし…。
実は私も通うこの高校は偏差値もかなり高めで、その難関を突破できた秀才と言われる人たちの密集地。
私は単なる努力型で秀才とは言い難いけど。
当然、カナイくんだってそのお一人で、見た目こそは強面で…いや、それでもイケメンと言える部類だけども。
それでも、それこそよっぽどどこぞの総長様を名乗っていそうに見える気迫を感じるお人なのだ。
この弥勒 叶生(みろく かない)くんは。