国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
淡いブルーを基調としたほんの少しふんわりとした丈の長いスカートは今にも床につきそうだ。シルク素材なのか、きめ細かく滑らかで思わずうっとりとしてしまうほどに心地の良い肌触りだった。その間にも、マリーアはてきぱきとミリアンの金に輝く長い髪を結いあげ、しあげに水晶の髪飾りを挿す。そして慣れない化粧まで施された。

「初めて会った時にも思ったけど、あなたの髪の毛は綺麗ね。こんな美しい金髪はラタニアでも見たことがないわ」

今までに自分と同じ金髪を持つ者は母くらいだった。マリーアに言われて改めて自分が異邦者なのだと感じて切なくなる。

「はい、できた! これから歓迎の儀を行うのよ、あなたはその主役」

「え? 歓迎の儀?」

罪を犯した者を歓迎するとはどういうことなのか。

マリーアはただ行けばわかると笑うだけでミリアンは不安を胸に、鏡に映る見たこともない自分の姿をいつまでも眺め続けた――。
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