国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「レイ国王陛下は植物学者としてとても博識な方なのよ、いったんのめりこむと部屋から出てこないこともあるし、凝り性なところはあなたと似ているかもね」

レイと似ている。そう言われてなぜかミリアンは悪い気がしなかった。

レイはまだ自分になにか隠していることがある。そう思わずにはいられない。花のこともそうだが、ミリアンはレイ自身のことについてももっと知りたいと思っていた。

「花の事が知りたければ書庫に行けばたくさん本が置いてあるわよ、国王陛下の趣味みたいなものだから、ほとんど植物についての本だけどね」

「ほんと?」

この部屋に置いてある本は正直どれも退屈なものばかりで、興味のない歴史の書物を暇つぶしに読むにしても苦痛でしかなかった。ミリアンはさっそく書庫の場所を教えてもらい、朝食が終わったら行ってみることにした。
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