国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
垂れた枝をくぐると、その低木の前に見覚えのある姿が見えた。それはミリアンに背を向けてこちらの気配にまだ気が付いていない。緑色の表皮に、ちょんと突き出たような短い尻尾。そして背中から生えている小さな翼は折りたたまれている。ずんぐりむっくりしたそれは、低木よりも低く、頭の角度からして低木をじっと見上げているようだった。まるで花が咲くのを待ちわびるように。
「あ……ごめんなさい、驚かせちゃったわね」
芝を踏むと、その音にピクリと尖った耳を震わせ振り向いた。
クリクリとした愛嬌のある目に、まだ大人になり切れていない尖った短い牙。それは以前、レイが森で保護した緑竜で、先日母親と一緒に森に帰ったはずの子どもだった。
「こんばんは。あなたも散歩?」
まるまるとした下っ腹は今にも地面にくっつきそうだ。緑竜もミリアンのことを覚えていたようで、クエッっとひと鳴きした。
「あなた、どうやってここへ入ってきたの? もしかしてまた迷子?」
ミリアンの問いかけに、緑竜は翼をバサバサしながら何かを訴える。普通なら竜と意思疎通など不可能なのだが、なぜかミリアンにはこの緑竜の言いたいことがわかった。
「あ……ごめんなさい、驚かせちゃったわね」
芝を踏むと、その音にピクリと尖った耳を震わせ振り向いた。
クリクリとした愛嬌のある目に、まだ大人になり切れていない尖った短い牙。それは以前、レイが森で保護した緑竜で、先日母親と一緒に森に帰ったはずの子どもだった。
「こんばんは。あなたも散歩?」
まるまるとした下っ腹は今にも地面にくっつきそうだ。緑竜もミリアンのことを覚えていたようで、クエッっとひと鳴きした。
「あなた、どうやってここへ入ってきたの? もしかしてまた迷子?」
ミリアンの問いかけに、緑竜は翼をバサバサしながら何かを訴える。普通なら竜と意思疎通など不可能なのだが、なぜかミリアンにはこの緑竜の言いたいことがわかった。