国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「あら、寝ちゃったのかしら? あまり遅くなると――」
すっかり膝の上で寝息を立てている緑竜に声をかけるが、ミリアンの視界の端で先ほどまではなかったものが見えて息を呑んだ。
「花が……咲いてる?」
思わず言葉に出してしまうほどにミリアンは驚いた。見ると、名もなく咲かない花と言われていた低木に、漏斗型の青白い花が露に煌めきながら開花しているではないか。数は少ないが、目を見張るほどそれは美しく可憐だった。百合の花にも似ているが、その幻想的な姿はミリアンを魅了した。
――ミリアン。この花はなかなか顔を見せてくれないのよ?
――じゃあ、どうしたら顔を見せてくれるの?
――この花が穏やかな気持ちになった時かしら、実はこの花はね……。
(私、この花……知ってるわ)
すっかり膝の上で寝息を立てている緑竜に声をかけるが、ミリアンの視界の端で先ほどまではなかったものが見えて息を呑んだ。
「花が……咲いてる?」
思わず言葉に出してしまうほどにミリアンは驚いた。見ると、名もなく咲かない花と言われていた低木に、漏斗型の青白い花が露に煌めきながら開花しているではないか。数は少ないが、目を見張るほどそれは美しく可憐だった。百合の花にも似ているが、その幻想的な姿はミリアンを魅了した。
――ミリアン。この花はなかなか顔を見せてくれないのよ?
――じゃあ、どうしたら顔を見せてくれるの?
――この花が穏やかな気持ちになった時かしら、実はこの花はね……。
(私、この花……知ってるわ)