国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ああ、一歩遅かったみたいだね。国王様に見つかる前にとっ捕まえたかったんだけど」
出入口の方から聞こえてきた声を背中に聞きながら、レイはその声の主に肺腑の底からため息をついた。
「リムルの民は本当にお行儀が悪いようだな、ジェイス」
そう言いながらレイは被っていたフードを取り払った。
「それについては面目ない。だからこうして定期的に貴国に訪れ巡回してはいるんだけど……おい、お前たちこの者たちを連れていけ」
「はっ!」
ジェイスが率いていた自国の兵らに命じると、店主を始め奴隷の子どもたちを取り囲んだ。
リムル王国の経済事情はラタニアまでとは言わないが、それなりに潤ってはいる。しかし、まっとうな職にありつけない平民の中には、ラタニアへ不法入国して水面下でこそこそと商売をしている輩が後を絶たない。リムル王太子であるジェイスはただでさえ冷戦状態にあるラタニアとこれ以上厄介な面倒事を増やさないようにするため、時々こうして取り締まりに来ているのだった。
出入口の方から聞こえてきた声を背中に聞きながら、レイはその声の主に肺腑の底からため息をついた。
「リムルの民は本当にお行儀が悪いようだな、ジェイス」
そう言いながらレイは被っていたフードを取り払った。
「それについては面目ない。だからこうして定期的に貴国に訪れ巡回してはいるんだけど……おい、お前たちこの者たちを連れていけ」
「はっ!」
ジェイスが率いていた自国の兵らに命じると、店主を始め奴隷の子どもたちを取り囲んだ。
リムル王国の経済事情はラタニアまでとは言わないが、それなりに潤ってはいる。しかし、まっとうな職にありつけない平民の中には、ラタニアへ不法入国して水面下でこそこそと商売をしている輩が後を絶たない。リムル王太子であるジェイスはただでさえ冷戦状態にあるラタニアとこれ以上厄介な面倒事を増やさないようにするため、時々こうして取り締まりに来ているのだった。