国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
横からなのか前方からか後方からか、声だけではわからずハッと我に返ったと同時に鈍い痛みを右の横っ腹に感じた。その痛みは次第に現実味を帯びてくる。
「レイ様! クソッ、その者を捕らえろ!」
いったい自分に何が起きたのか、じわじわと激痛に変わるその場所に手をあてがうと、べっとりとした感触がした。
「な……」
黒い皮手袋からはよくわからなかったが、見ると真っ赤な血のりが手のひらを滴っている。
刺された――。
そう思った時にはすでに意識も薄れかけていた。
「くっ――」
レイは短く呻き、堪えきれずに地面に片膝をついた。
「レイ様!」
自分の名前を呼ぶ声が次第に遠のいていく。朦朧とする意識の中で顔を上げると、薄汚い恰好をしたひとりの男が兵士に拘束されながら恨めしそうに見降ろしていた。見覚えのない知らない男だった。
「レイ様! クソッ、その者を捕らえろ!」
いったい自分に何が起きたのか、じわじわと激痛に変わるその場所に手をあてがうと、べっとりとした感触がした。
「な……」
黒い皮手袋からはよくわからなかったが、見ると真っ赤な血のりが手のひらを滴っている。
刺された――。
そう思った時にはすでに意識も薄れかけていた。
「くっ――」
レイは短く呻き、堪えきれずに地面に片膝をついた。
「レイ様!」
自分の名前を呼ぶ声が次第に遠のいていく。朦朧とする意識の中で顔を上げると、薄汚い恰好をしたひとりの男が兵士に拘束されながら恨めしそうに見降ろしていた。見覚えのない知らない男だった。