国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
城の敷地内にある木造の小屋。そこがラウラスの製薬室だった。
「おかえりなさい、おじいさま! その方は……?」
小屋へ案内されると、ひとりの小さな男の子が出迎えてくれた。年は五歳くらいではつらつとした元気な子だった。そしてミリアンに気づくと、初めて会う客人に驚いた様子を見せた。
「初めまして、私はミリアンよ。わけあって今、城で生活しているの」
警戒しないように柔らかな声音で言うと、男の子はにこりとしてお辞儀をした。
「僕はラウラスおじいさまの孫でヨークといいます」
両親を亡くしたヨークはたったひとりの家族であるラウラスの助手としてここで暮らしているという。ここで子どもに会うなんて意外に思ったが、ミリアンはふと教会の子どもたちの事を思い出して切なくなった。
「ヨーク。土瓶と火をおこす準備をしてくれ、あぁ、それとろ過水もだ」
「はい!」
生薬を煎じる方法を知っているのか、ヨークは言われたとおりに手際よく道具を棚から出して用意する。
「おかえりなさい、おじいさま! その方は……?」
小屋へ案内されると、ひとりの小さな男の子が出迎えてくれた。年は五歳くらいではつらつとした元気な子だった。そしてミリアンに気づくと、初めて会う客人に驚いた様子を見せた。
「初めまして、私はミリアンよ。わけあって今、城で生活しているの」
警戒しないように柔らかな声音で言うと、男の子はにこりとしてお辞儀をした。
「僕はラウラスおじいさまの孫でヨークといいます」
両親を亡くしたヨークはたったひとりの家族であるラウラスの助手としてここで暮らしているという。ここで子どもに会うなんて意外に思ったが、ミリアンはふと教会の子どもたちの事を思い出して切なくなった。
「ヨーク。土瓶と火をおこす準備をしてくれ、あぁ、それとろ過水もだ」
「はい!」
生薬を煎じる方法を知っているのか、ヨークは言われたとおりに手際よく道具を棚から出して用意する。