国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ごめんなさい、私、何もわからなくて……」
なにか手伝うと言ったものの、知識のないミリアンは何をすればいいのかわからず、手慣れたふたりを見ながら申し訳ない気持ちになった。
「なに、気にすることはない。この花の存在を教えてくれたのは何を隠そうお前さんなのだからな、それに開花させたのも……」
そこまで言うとなにか思いとどまったのか、ラウラスは言葉を濁して最後まで紡ぐことはなかった。
「ラウラス様?」
「さて、こうしちゃいられん、急ぐぞ。ミリアン、カウラの花弁を破かないように一枚一枚切り離してくれ」
「はい! わかりました」
ラウラスが何を言おうとしていたのか気になったが、今はそれを考えている時ではない。ミリアンは先ほど摘んできたカウラの花を手に取った。
カウラの花は繊細で煎じるには火力が低すぎても高すぎても駄目になってしまうという。すべてはラウラスの知識と経験にかかっている。
火をかけられた土瓶の中で花弁がゆらゆらと揺れ、見ているだけで不思議な気分になってくる。煎じられて濃くなった甘い香りが徐々に部屋中に広がっていた。
なにか手伝うと言ったものの、知識のないミリアンは何をすればいいのかわからず、手慣れたふたりを見ながら申し訳ない気持ちになった。
「なに、気にすることはない。この花の存在を教えてくれたのは何を隠そうお前さんなのだからな、それに開花させたのも……」
そこまで言うとなにか思いとどまったのか、ラウラスは言葉を濁して最後まで紡ぐことはなかった。
「ラウラス様?」
「さて、こうしちゃいられん、急ぐぞ。ミリアン、カウラの花弁を破かないように一枚一枚切り離してくれ」
「はい! わかりました」
ラウラスが何を言おうとしていたのか気になったが、今はそれを考えている時ではない。ミリアンは先ほど摘んできたカウラの花を手に取った。
カウラの花は繊細で煎じるには火力が低すぎても高すぎても駄目になってしまうという。すべてはラウラスの知識と経験にかかっている。
火をかけられた土瓶の中で花弁がゆらゆらと揺れ、見ているだけで不思議な気分になってくる。煎じられて濃くなった甘い香りが徐々に部屋中に広がっていた。