国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
その首飾りは、いつもサーナがかた時も離さず身につけていた小さなロザリオだった。銀素材で下から上へと十字に絡みつく竜の双眼には、真っ赤なルビーが埋め込まれている。少女が身に付けるにしては幾分可愛らしさのないものだったが、ミリアンは母からもらったそれを嬉しそうに眺めた。
「いい? ミリアン、それはあなたを守ってくれるとても大切なものなの、だから簡単に人に渡したり見せたりしちゃだめよ」
「うん、わかった!」
素敵なものなのに、なぜ人に見せたりしてはいけないのか不思議だったが、きっとこれは母からの秘密のプレゼントなのだと、そう思うとミリアンは笑顔になった。
「ねぇ、私、お母さんとあの歌を唄いたい」
母から教えてもらった幸せになれる歌がある。ミリアンはその歌が好きだった。この歌を一緒に母と唄って幸せな誕生日を過ごす……はずだった。
「いい? ミリアン、それはあなたを守ってくれるとても大切なものなの、だから簡単に人に渡したり見せたりしちゃだめよ」
「うん、わかった!」
素敵なものなのに、なぜ人に見せたりしてはいけないのか不思議だったが、きっとこれは母からの秘密のプレゼントなのだと、そう思うとミリアンは笑顔になった。
「ねぇ、私、お母さんとあの歌を唄いたい」
母から教えてもらった幸せになれる歌がある。ミリアンはその歌が好きだった。この歌を一緒に母と唄って幸せな誕生日を過ごす……はずだった。